こんにちは、こどおじFIREを目指している筆者です。今回は、2025年税制改正における「退職所得控除」の改正について詳しく解説します。退職金は老後資金の重要な柱であり、その課税制度の変更は多くの人に影響を与える可能性があります。本記事では、改正の背景や具体的な内容、そしてFIREを目指す方にとっての影響と対策について考察します。
退職所得控除とは？
退職所得控除は、退職金にかかる税負担を軽減するための制度です。現行制度では以下の計算式が適用されています：
- 勤続20年以下：40万円 × 勤続年数（最低80万円）
- 勤続20年以上：800万円 + 70万円 × （勤続年数 − 20年）
この控除額を差し引いた後、残額の1/2が課税対象となり、所得税や住民税が計算されます。この仕組みにより、勤続年数が長いほど税負担が軽減される仕組みとなっています。
改正の背景
今回の改正は、以下のような背景から検討されています：
- 労働市場の変化
昭和時代のように一つの会社で定年まで働く終身雇用モデルは過去のものとなり、転職が一般的になっています。そのため、「勤続年数が長いほど有利」という現行制度が現代の働き方にそぐわないとの指摘があります。 - 課税の公平性
勤続年数による優遇措置が、一部の労働者に偏った恩恵を与えているとの批判があります。これにより、労働市場全体で公平な課税制度を実現する必要性が高まっています。 - 財政健全化
高齢化社会に伴う財政負担増加への対応として、退職金課税強化が議論されています。
改正内容
2025年度（令和7年度）の税制改正では以下の変更が予定されています：
1. 勤続年数による優遇措置の見直し
現行制度では、勤続20年以上の場合、1年あたり70万円の控除額が適用されます。しかし、新制度では勤続年数に関係なく「40万円 × 勤続年数」に統一される可能性があります。
2. 重複排除調整期間の延長
確定拠出年金（DC）一時金を受給した場合、退職所得控除額との重複排除調整期間が従来の4年から9年に延長されます。これにより、一部ケースで控除額が減少する可能性があります。
3. 源泉徴収票提出義務化
すべての居住者について、退職所得源泉徴収票を税務署へ提出する義務が追加されます。これにより課税管理が厳格化されます。
改正による影響
1. 税負担増加
改正後は勤続20年以上でも控除額が減少するため、長期勤続者ほど税負担が増加します。例えば、勤続38年で退職金2,000万円を受け取る場合：
- 現行制度：控除額2,060万円 → 所得税・住民税0円
- 改正後：控除額1,520万円 → 所得税・住民税合計約38万円
2. 短期勤務者への影響
短期勤務者には大きな影響はありません。ただし、確定拠出年金（DC）一時金と退職金を併せて受け取る場合には注意が必要です。
FIRE志向者へのアドバイス
FIRE（早期リタイア）を目指す方にとって、この改正は大きな影響を与える可能性があります。以下の対策を検討しましょう：
1. 早めに資産計画を見直す
退職金への課税強化を見越して、自主的な資産形成（投資信託やNISAなど）を強化しましょう。特に新NISA制度は非課税枠が拡充されているため、有効活用することをおすすめします。
2. 確定拠出年金（DC）の活用
企業型DCやiDeCo（個人型確定拠出年金）など、自主的な老後資産形成手段を活用しましょう。これらは節税効果も期待できます。
3. ふるさと納税や節税対策
ふるさと納税など他の節税手段も積極的に活用し、トータルでの納税額削減を目指しましょう。
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総括
2025年度の退職所得控除改正は、多くの人々にとって重要な転換点となります。特に長期勤続者には大きな影響がありますので、自分自身の状況を把握し早めに対策を講じることが重要です。FIRE達成に向けて、「節約」「投資」「節税」をバランスよく実践しながら、新しい時代に対応した資産形成戦略を進めていきましょう！
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